自分のキャパシティを知ろう
ニートが社会復帰するにあたって、一番気を付けるべきことは、「自分が考えている自分の力量と、実際に可能な貴方の能力にはだいぶズレがある」ということでしょう。
そういった意味でも、まず大切なのは、自分のこと、とくにできる範囲「キャパシティ」を客観的によく知ることかと。
自分は、実際週にどの程度無理なく働けるのか、どの程度なら体力が持ち、精神的にも病まずに行動できるのか、そういったことの解析が必要となってきます。
ただ、部屋と近所、家族との付き合い程度しか「社会」との繋がりがないニートだと、見る幅が狭すぎて、自身の客観視が大変難しい。
私自身、長期のバイトから日雇いの短期バイトを経て、フルタイム週二日のペースに落ち着くまでに、大変な紆余曲折や模索がありました。
自分の得意=仕事の適性ではない
果たして考えている『仕事』は現実の『業務』だろうか
ニートの時分、私は毎日パソコンと向かって生活をしていたので、パソコンには多少詳しかったし、好きなことなら毎日でも続けられる自信を持っていました。
なので当たり前のように、「就くならパソコンを使った仕事で、使えるツールはデザイン関係だから、WEBデザインとかその辺。対人コミュニケーションはあんまり好きじゃないから、エンジニア系デスクワーク。」だと思っていましたし、いきなりフルタイム週40時間は無理でも、半分くらいは大丈夫、とも思っていました。
それで、就職活動を半年くらいした後に、雇ってもらえた会社のWEB管理業務に就いたわけです。
しかし、思わぬところで挫けます。
デスクワークは、作業中は基本的に椅子に座って作業しているわけです、当たり前ですが。
これが、いや、なかなかに眠い。
自宅で作業するのは、基本的に自分がやりたい作業だけです。
会社で、目の前に与えられるのは、決して全部が全部自分が興味を持って集中して取り組める作業ばかりではありません。
これが、結構な眠気を誘うのです。
働いて痛感した自身の弱点
もともと、私は睡眠リズムがまったく安定しておらず、些細な切っ掛けでガタガタにペースを崩しやすい性質を持っています。
なので、早起きも苦手だし、すぐに不眠気味に寝不足にもなりやすい。
いつも慢性的な眠気と怠さに苛まれていました。
20代の頃はそれでも、「根性を正せば、理想的な睡眠時間と生活リズムが手に入る」と信じて疑わずにおりました。
そして、何をどう足掻いてもそこに辿り着けない己に、とてつもない苛立ちと焦燥感を抱いておりました。
結局のところ、整わない睡眠リズムは、巷で流行りの「睡眠不足症候群」の典型的な症状だった事に気づくわけですが、それはさておき、自身の「普通の社会人と同じペース、仕事量で生きると、私の場合は睡眠時間が圧倒的に足りないことになってしまう」という結論に行き着きます。
つまり、もともと必要睡眠時間が長い質なのか、睡眠の浅さによる回復の遅さ故なのか、他人よりも多く睡眠が必要だということに気がついたわけです。
睡眠不足が続くと、仕事のパフォーマンスにも悪影響が出る以上に、身体にも大変負担になる。
というか、何よりも体感として実際に身体がツラいんですよね。
実際、WEB管理としてアルバイトをしていた時期は、自分が得意と思っていたデスクワーク業務が、眠気の強い私の身体には大変キツい環境だったという、思っていたことと現実とのギャップに苛まれます。
就業時間中、ガクリと落ちるように居眠りをして怒られるのもツラいし、眠気が過ぎて吐き気をもよおしたりして、結局まったく仕事にならないわけです。
そんな風にして、自分の身体の「できる範囲」、キャパシティを把握出来たことで、就業先の選択肢も変化していった結果、現在に至ります。
『仕事』として続けるには方向転換も必要
常に身体を動かす仕事を選んだのも、そんな理由からでした。
身体を動かし続けてさえいれば、さすがに居眠りはできないだろう、というわけです。
最初は、睡眠不足が起きても無理なく働ける、固定でないもの、かつ身体を動かす業務、ということで日雇いの倉庫内での派遣アルバイトを始めます。
それをチマチマやりつつ、資金をつくりながら、「自分に無理がないシフト範囲」を計りつつ、次の仕事をに向けて、就職活動を進めていきました。
現在、介護の仕事に従事しているのも、介護なら居眠りなどしている暇なく身体を動かしていられるからです。
さて、文字にするとここまで順調にシフトしていったように感じますが、WEB管理のアルバイトから派遣登録までに、1年半ほどまったくの無職期間を挟んでおります。
WEB管理の仕事を、居眠りのし過ぎで半ばクビになって去ったあと、自身の睡眠リズムと就業に関して非常に悩み、睡眠のコンプレックスから、何も動けない期間があったわけです。
しかしながら、自身のキャパシティを考えつつ社会復帰に乗り出し、結果、なんとか住居費以外の出費はまかなえる程度にはなりました。
ここまで、最初の就職活動から現在まで、まる5年はかかっています。
シンデレラよりも、一歩一歩を確実に
ここまで読んだ方のなかには、なんともまだるっこしい、根性が足りない、などと思う方も居るでしょう。
ただ、本当にまったく社会参加をせずに自宅で引きこもっているひと、健康的にもあまり丈夫ではないひとは、もしかしたら社会復帰がもっと困難になるかもしれません。
ある日いきなり天啓が降りて、別人のように働ける、なんてことはまず無いと思います。
だからこそ、今日の一日、さらに先の一日を確実に一歩ずつ前進していく必要がある。
5年かかろうがもっとかかろうが、それでも進んでいけば、まったく何もしていないでひきこもって過ごしている状態からは抜け出すことが出来ます。
大切なのは『客観的』に考えること
いま、もし働くことが出来なくて、でもゆくゆくは社会復帰をしたいと思っている方は、まずは自身の能力を過大にも過小にもせずに研究してみてはいかがでしょうか。
試しに、一日だけでも「働いて賃金を貰う」体験をしてみるのも良いと思います。それだけでも「一日の労働に必要な体力と精神力」というひとつのものさしを得ることができます。
いきなり働くのではハードルが高いひとは、「一般的な会社員が通常起きている時間に起きて、一日を過ごす」だけでも、一日の時間の感じ方が変わります。
それもハードルが高ければ、もっと目標を下げても良いでしょう。
あくまで、客観的な「自分ができること」のデータを取るのです。
そうすることで、私のような就業先での大挫折も回避できます。次に目指すべき目標も見えやすくなるでしょう。
「出来ないこと」で頭のなかをループさせずに、淡々と自分の「出来ること」を増やして行けるといいですね。


